原題の"Adolescence"は思春期を意味するとのことだ。
英ガーディアン紙(注1)の映画評で満点の*****を獲得、「完璧さに最も近いTV番組」と評されたそうだ。シリーズ化されたTVドラマを最終回まで見終えることは滅多にないのだが、このドラマは全4話なので「なんとかなるだろう」と視聴を開始した。
いや、本当に完成度が高すぎる。ドラマの冒頭、重武装した警察隊が住宅に突入し殺人容疑で少年を逮捕する。その逮捕シーンの緊張感がドラマの最後までずーっと持続していく。捜査にあたる刑事が学校を訪れて聞き込みを行うシーンでは大勢の学生や教師達が行き交う校内を、長廻しの撮影で完璧に捉えていく。ドローンを駆使して遠く離れた場所をワンテイクの撮影で繋いでいくのにも驚いた。
ストーリーが全4話に振り分けられているのにも、必然性がある。このドラマに何かを付け加えるとか、何かを捨てるとかはまったく考えつかない。今まで体験したことがないレベルで、私の中では「完成度100%」だ。
特筆しなければならないのが少年役のオーウェン・クーパーの演技、将来が末恐ろしくなる程だ。父親役のスティーヴン・グレアム(注2)も良いね。
このドラマ、完成度が高すぎる故にその副作用が半端ではない。ありきたりなTVドラマはもう受け付けられなくなる。何を見ても最初の10分ほどでギブアップだ。ついにNetflixは解約することになった。
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注1) 映画"ボーン・アルティメイタム"でCIAに暗殺される新聞記者が所属していたのが英ガーディアン紙